電気工事士は国家資格が必要なことからもわかると通り、だれでも直ぐに手ごろに始められるという訳ではありません。また、体力が必要になり電気を扱うため注意が必要になります。ですが国家資格を取得し必要な知識や経験が身につけば、AIに取って代わられる可能性の低い職種となりますので20年、30年先でも職に困ることはありません。またそれに見合った給料を受け取れる魅力的なお仕事でもあります。
そこで今回は電気工事士に向いている人はどんなタイプの人かをまとめてみました。
・丁寧に作業できる人
最も重要なのは、丁寧な作業ができる能力です。電気工事は非常に細かい作業が多く、すべての工程を図面通り正確に行わなければ、電気が使えるようにはなりません。工事のミスは漏電事故や火災につながりますし、作業中は常に感電の危険性があります。そのため、決して油断したり手を抜いたりせず、丁寧かつ正確に作業を進められる人が向いているのです。
これは作業中だけでなく、作業の準備段階にもいえます。たとえば、お客様に「ブレーカーは切っておきました」と言われても、「本当に切れているのか?」と考えて確認するような几帳面さが重要です。常に「念のため」の確認を怠らず、「かもしれない運転」ができる人は、電気工事士として大いに活躍できるでしょう。
ちなみに、「細かい作業」の具体例としては、各配線へのマークチューブの取り付けや絶縁処理、圧着端子の選定と圧着処理、アース線の設置、配線のケーブルダクトへの収納、余裕のある配線長の選定、そして配線の接続ミスがあるかどうかのチェックなどが挙げられます。こういった作業を面白いと感じる方も、電気工事士に向いているといえます。
・最低限のコミュニケーションが取れる人
コミュニケーション能力も、電気工事士にとっては重要なスキルです。電気工事はチームで仕事を行うこともあります。大規模な現場だと、現場の管理者や他業種の作業員とも連携しながら作業にあたる機会が少なくありません。「ブレーカーは切ったか?」「通電状態でないか?」「ヒューズを抜いたか?」など、細かい確認事項もたくさんあります。
こういった現場において、重要な指示を聞けない・出せない人やチームの連携を乱す人がいると、作業に支障をきたします。結果として、作業のミスや大きな事故につながってしまうこともあるでしょう。このようなトラブルを防ぎ、円滑に仕事を進めるためには、コミュニケーション能力が必要不可欠なのです。
また、お客様とのやり取りにおいてもコミュニケーション能力が求められます。工事の内容や現場の状況についての打ち合わせが必要ですし、ブレーカーの位置を聞いたり受電盤の鍵を開けてもらったりなど、お願い事をしなければならないことも多いからです。
といっても、あまり高度な能力が求められるわけではありません。適切に報連相を行う、しっかり指示を聞く・出す、必要に応じて協力し合う、お礼や挨拶を言えるなど、必要最低限のコミュニケーションが取れれば十分です。これらの能力は仕事をしていれば自然と身に付きますのでご安心ください。
・自ら学ぶ姿勢がある人
前述したように、電気工事士という仕事は覚える事が多くあります。スムーズに知識を身につけるためには、自ら積極的に学ぶ姿勢も大切です。
例えば、どうすれば作業を効率化できるのか?安全に作業するための注意点は?最も効率的な配線の方法は?といったことは、常に考えて学んでいく必要があります。わからないことがあれば、すぐに先輩や上司に質問すべきですし、先輩の仕事を横で見て学ばなければならないこともあるでしょう。
初めて行う作業や初めて行く現場での仕事も重要です。おそらくわからないことがたくさん出てくるかと思いますが、ここで積極的に先輩のやり方を覚えたり質問したりすると、飛躍的な成長が見込めます。
■電気工事士の魅力・メリット
電気工事士にいろいろと大変な面があるのは確かですが、それだけではありません。むしろ、苦労以上のメリットがある、とても魅力的な仕事でもあるのです。電気工事士の主なメリットを紹介します。
・常に需要があり、なくならない仕事である
電気工事士の最大の魅力は、決してなくならない仕事であるということです。今や私たちの社会に電気は必要不可欠であり、もはや電気なしでの生活は考えられません。そして、どのような場所においても、電気を使うためには電気工事が必要になります。また、一度設置すればいいわけではなく、老朽化した設備の点検・修理や、新しいものへの交換・更新もしなければなりません。つまり、電気工事の需要は常にあるため、それを手掛ける電気工事士という仕事も、絶対になくなることがないのです。非常に繊細な作業が求められる仕事ですから、当面は機械に取って代わられる心配もないと考えられます。今から電気工事士になっても、将来にわたって安定して仕事を得られるでしょう。
・手に職をつけることができ、独立も可能
電気工事士は「業務独占資格」であり、電気工事という仕事は、電気工事士の国家資格を持った人でなければ従事できません。つまり、電気工事士の資格を取得すると、いわゆる「手に職をつけた」状態になります。自分のスキルを証明しやすく、活躍の場も多いことから、就職や転職の際に大変有利です。
・資格手当やキャリアアップにより給与が増える
電気工事士の資格を持っていると、職場によってはそれだけで資格手当がもらえる場合があります。電気工事施工管理技士など、より高度な資格も取得すれば、さらに資格手当が増えるでしょう。もちろん、多くの資格を持っていれば仕事の幅が広がり、キャリアアップにつながります。職長や施工管理といった重要な役職に就けば、その分給与もアップします。資格の取得は、さまざまな点で収入をアップさせてくれるのです。